JBoss4.3のコンパイル

JBossアプリケーションサーバ(以下 JBossAS)にはコミュニティサイト(http://www.jboss.org)から無償でダウンロードできるコミュニティ版があります。
そしてRedhat社が提供するサブスクリプションを購入した顧客が利用できる商用版が存在します。
商用版はEAP(Enterprise Application Platform)とも呼ばれます。



JBossの開発ポリシーはコミュニティ版で先行して新機能を試して、安定した機能を有償版に取り込んでいきます。
下記がバージョンの遷移です。

  • コミュニティ版のリリース

4.2 → 4.2.1 → 4.2.2 → 5.0 → 5.0.1 → 5.1.0

  • 商用版のリリース

4.2 → 4.3 → 5.0

コミュニティの5.0は2008/12リリースですが商用版の5.0は2009/11リリースです。


しかし問題があります。
コミュニティ版を使っていても、どんどんバージョンアップ(メジャーバージョンアップ含む)していければいいのですが、普通できませんよね。
4.2.0 → 4.2.1 → 4.2.2 まではいいとして、次が 5.0となるとバージョンアップは躊躇しますね。


基本的にコミュニティ版は脆弱性が発見されてもパッチが提供されません。
4.2系は 4.2.2が2007-10-22 にリリースされた後、バージョンアップされていません。


それに対して有償版はセキュリティの累積パッチ(CP)が定期的に提供されます。4.3においてはCP06まで提供されています。
http://www.redhat.com/docs/ja-JP/JBoss_Enterprise_Application_Platform/

それでは累積パッチはサブスクリプションを購入しないと利用できないかというと、そうではありません。
オープンソースなわけですから、ソースをダウンロードして自分でコンパイルすればいいわけです。

ということでJBossコンパイル方法を紹介します。

WindowwsXP+JDK1.5.15でコンパイルしました。

ソースコードSubversionリポジトリからエキスポートします。
4.3 CP06のタグは下記の通りです。

http://anonsvn.jboss.org/repos/jbossas/tags/JBPAPP_4_3_0_GA_CP06/

TortoiseSVNなどのSVNクライアントでエキスポートしてください。


ダウンロードすると下記のようなディレクトリが存在しています。

[.] [..] [aspects] [build]
[cluster] [connector] [console] [deployment]
[docbook-support] [ejb3] [ejb3x] [hibernate-int]
[iiop] [j2ee] [jaxrpc] [jms]
[jmx] [management] [messaging] [naming]
[remoting-int] [security] [server] [system]
[test] [testsuite] [thirdparty] [tomcat]
[tools] [transaction] [varia] [webservices]
0 個のファイル 0 バイト
32 個のディレクトリ 14,323,810,304 バイトの空き領域

buildディレクトリへ移動します。

> cd build

ビルド用のバッチファイルがありますので実行します。
サードパーティのjarファイルをダウンロードしますのでインターネットへつながる環境で実行してください。

> build.bat

しばらく待ちます。。。


build\output ディレクトリへバイナリが作成されます。

> dir output

2009/12/10 16:57

. 2009/12/10 16:57 .. 2009/12/10 16:57 bin 2009/12/10 16:57 client 2009/12/10 16:57 docs 2009/12/10 16:57 lib 2009/12/10 16:57 server 0 個のファイル 0 バイト 7 個のディレクトリ 5,037,621,248 バイトの空き領域

いつものJBossディレクトリ構成ですね。